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JTCW2016

江戸からかみをたずねて

 

コラボレーション・レポート第四回

ライフスタイルショップが自分たちでセレクトした伝統工芸品を、自分たちの方法で展示・販売するイベント「JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK(以下、JTCW)」。 HAREM TOKYOは「江戸からかみ」、HAREM OSAKAは「山中漆器」とコラボレーションします。

いよいよ開催まで一ヶ月をきりました!このコラムも第四回。前回は山中漆器の産地である石川県山中町を訪問し、温泉に入り、お酒を嗜み、山中漆器が完成する工程から職人さんのお話まで、しっかりと社会見学をしてきました。

さて、さすれば今回特集すべきは「江戸からかみ」です。江戸からかみ版元問屋である「東京松屋」さんに、江戸からかみの楽しみ方、ルーツ、JTCW 2016への意気込みなど、じっくりお話を伺ってきました!ちなみに場所は浅草、江戸っ子の町です。

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ー江戸からかみと一言に言えど、色んな柄があるんですね!どんな風に作られているのでしょう?

「東京松屋」伴 直道さん(以下、伴さん): 「江戸からかみ」には3つの技法がありまして、それぞれに特徴があります。これは木版で摺ったものですが、文様の輪郭がぼやけて柔らかさがあります。木版は版木の上に和紙を置いて、その上を手で撫でるため、文様が少しまだらになって、木版ならではの味が出ます。この職人さんを「唐紙師」といいます。

木版手刷による江戸からかみ

伴さん: 一方、文様の輪郭がくっきり出るのが伊勢型紙を用いた技法です。細かい文様を摺るのに適していて、何版もの型紙を用いて文様を摺る、多色摺りの技法があります。 この職人さんは「更紗師」です。

ーこの大名行列のような柄ですよね!ちょっとでもずれると文字が成立しなくなる、職人さんの技が光る作品ですね。

型摺り・多色摺りによる江戸からかみ

伴さん: 最後は「砂子師」です。金銀箔を粒子状や様々な大きさにして、紙の上に撒いていく技法です。戦前まで多くの日本の住まいのふすまを彩ってきました。

ーこれは木版や型紙刷りとは違って決まった柄がある訳ではないですよね?感覚的な部分、センスや微妙なニュアンスが江戸時代から脈々と受け継がれていると思うとすごいですね。

砂子蒔きによる江戸からかみ

伴さん: 名前には「江戸」と付いていますが、平安時代には既に日本に伝わっていた技法です。当時、貴族のあいだで和歌をしたためるために使われていた紙を「料紙」といいます。一枚の紙に、木版、砂子、手描き絵や、王朝継ぎ紙という色の異なる染紙を継ぎ合わせる技法も見られます。

ーどれも幻想的ですね。そして、この小さな一枚にいくつもの技法ってすごい贅沢!それほどに、当時は文を書くという事が特別な行為だったんですね。

伴さん: そうですね、当時上流階級の方に使われていました。この技法が唐の時代の中国から入ってきて、唐から来た紙で「からかみ」。これが、「江戸からかみ」の原点とされています。



 
ー「江戸からかみ」のほかに京都の「京からかみ」もあるんですよね。

伴さん: からかみは平安時代の貴族の間で流行し、国産のからかみも京都で発祥しました。和歌をしたためる「料紙からかみ」から、次第に用途を広げ、室内の衝立、屏風、ふすまや、壁面に張るためのからかみとして発展しました。その後、京都から大阪、江戸、金沢にもからかみの技法が伝わり、その一つが、「江戸からかみ」です。

ー「伝統工芸」という響きから「和」なイメージがあったのですが、ポップなものも多いですね。江戸は江戸で、京は京で、柄も進化してきたんでしょうか?
 

伴さん: 公家好みの京からかみの文様と比べ、江戸からかみは主に武家屋敷から、商家、町家のふすまに張られ、町人好みの文様が多く見られます。 京からかみより文様が大きく植物の文様が多いのが特徴の一つです。 江戸からかみには「享保千型」という言葉が伝わっていて、当時たくさんの木版の文様が江戸で生み出されたことを物語っています。 私共では、現在所有しているからかみの版を用い、色の配色を変えることで、現代の空間にも合う、からかみ作りを試みています。

ー京と江戸、土地それぞれの色を反映して今に受け継がれているんですね。数百年、平安からいえば一千年以上前の人と同じものを見て美しいと思えているというのは、嬉しいです。

次の世代に繋いでいけるよう、創り手さんと共に励みます。

ー江戸からかみの伝統を受け継ぐ職人さんはどれぐらいいらっしゃるんでしょうか?

伴さん: まず「江戸からかみ」の定義についてお話しますと、私共の社長が戦前には京都だけではなく東京でも盛んにからかみが摺られていたことを知り、技法を受け継いでいる職人さんと共に「江戸からかみ協同組合」を立ち上げました。 そして平成11年に国の伝統的工芸品の指定を頂きました。

「東京松屋」伴直道さん

伴さん: 「江戸からかみ協同組合」に加入している職人さんにより、伝統技法の基準に則った製法で作られているものに限定して、「江戸からかみ」と呼びます。私共「東京松屋」は販売に徹していますが、組合に加入している他の10軒の会社は「江戸からかみ」の伝統手加工の技を持った創り手です。

ーこの伝統工芸を残していきたいという意志があるから、組合を立ち上げて。

伴さん:次の世代に繋いでいけるよう、創り手さんと共に励みます。

ーそれこそ、「JTCW 2016」会期中、HAREMの東京ショールームではワークショップも開催していただけます!そこでたとえば小さなお子様が木版手摺りの体験をして、ものづくりの楽しみを味わうというのは広がりがあっていいですよね。

伴さん: この度のイベントに参加させていただくことで、「江戸からかみ」をより多くの方に知っていただけると嬉しいです。 そういう思いもありまして、ふすま紙より身近な商品として、江戸からかみの照明、壁掛け、ステーショナリー類も置かせていただきます。

 

JTCW 2016にてHAREM TOKYOに展示・販売予定の照明(試作品)

ーもう開催まで一ヶ月をきりましたが、今回の私たちとのコラボレーションに寄せる期待や意気込みなどがあれば聞かせてください。

伴さん: HAREMさんの東京ショールームにお伺いした時に、ローソファなので背景の壁面が広く見えて、その空間に江戸からかみの壁掛けや照明がとても映えると思いました。 ソファ自体は洋のものですが、HAREMさんのソファは和の空間にも合うようにデザインされているので親和性も高そうです。 またワークショップも、江戸っ子気質の職人さんとの交流も含めて、普段伝統工芸になじみのない方々に体験して楽しんでいただけると嬉しいです。

ー職人さんとの交流、とても楽しそうですね!江戸からかみとローソファが共演する空間も楽しみです。

伴さん: HAREMさんの店内も普段江戸からかみが置かれるような雰囲気の場所ではないので、その空間の中で江戸からかみがどのように融合し、存在感を出していけるか楽しみです。

 
 

 

JTCW 2016初日、江戸からかみの職人さん(唐紙師)をお招きして実演&参加型ワークショップを行います! 実際に木版手摺りで摺った和紙はお持ち帰りいただけます。包装紙に使ったり、ランチョンマットにしたり、お部屋に飾るだけでも可愛いですよ。

 

 

● 日時
2016年10月22日(土)
・第一回:12時から
・第二回:15時から
職人さんの実演を見学後、実際に木版手摺り体験をしていただきます。

※ イベントは終了いたしました。ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました!

● 場所
HAREM TOKYO(東京ショールーム)
〒153-0042 東京都目黒区青葉台3-13-14 B1
TEL:03-6455-1375

● 参加費
無料

● 参加方法
参加希望者が多い場合は、ご予約いただいたお客様優先でご案内させていただきます。
参加希望時刻、人数を明記の上、お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。

Category : JTCW2016
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