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ライフデザイナーだいごの四方山コラム
四方山コラム
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コラム vol.82
アンサンブルという言葉の意味

最近、ピアノを練習したいと思っています。
趣味が外で飲み歩くことなのですが、10年近くやっているので最近さすがに飽きてきて新しい趣味が欲しいと感じ始めていました。こう、他人を介さないで一人で完結する趣味が欲しいというのが理由です。きっと、人を介すと余計なお金がかかるのが煩わしいからでしょう。

ある時自分の新しい趣味は「ピアノがいい」と閃きました。一人のイメージが強い楽器だからでしょうか。 しかし、ピアノを練習したいけれど家に置くと邪魔だし、物置きになる未来が容易に想像できたので個人練習ができるレンタルスタジオを探していました。

インターネット社会であれば個人練習のスタジオなんていうものは、ものの数分ですぐ見つかります。そして、ついに念願のスタジオを見つけます。しかし、なぜか予約をしないで行ったので案の定「予約をしてください」と言われその日はいきなり暇になりました。情報化社会も万能ではないということです。

そして「さー、暇になったし飲みにいくか」といつもの負のルーティンに入ろうとした矢先のことです。 そこのスタジオの2階がバーでジャズのセッションをやっているという看板が目に入りました。「捨てる神あらば拾う神あり」という言葉はこのことなのか、お酒の値段が安かったので入ってみることにしました。

入店するとちょうど演奏が始まる時間で年齢層が40代~60代の男性が準備をしていました。ピアノとウッドベースとエレキギターのトリオという構成で、普段立ち飲み屋で目にする荒んだ光景とは一味違った余裕のある大人の遊びにワクワクしてしまいます。
生演奏の良さというのは、イヤホンのように耳で聴くというよりも体で聴く良さにあるのだと思います。さらにアルコールが体に回り出すと、音がどんどん体の奥に染みこんでくるのです。つまり、重要なことはアルコールにあるということです。アルコール無しだときっとその時間に耐えれないでしょう。

演奏はとても素晴らしく、深夜コンビニで見かけるようなおじさんがこれでもかというくらい綺麗な旋律を奏でるそのギャップがいいのかもしれません。そして、演奏をずっと聞いていると一曲の中でそれぞれの楽器が映える瞬間があることに気が付きます。

その時「アンサンブル」という言葉がふいに頭に浮かびました。意味としては二人以上が同時に演奏することです。

以前、どこかの製造業の社長が「経営はアンサンブルだ」と述べている記事を見たことがあったからでしょうか。会社も人が集まって運営されるお芝居のようなものなので、売るのは上手いけど作るのは下手といった偏りがあるとそれは失敗のようなことを書いていました。つまり、楽器演奏に関わらず人が集まることはそれだけで「アンサンブル」なのです。

小難しく言えば、「一つの集団の技術的な偏りと、心の偏りが限りなくゼロに近くなる状態」ということですね。 ランダムでありながら絶妙なバランスで調和するハーモニーは、それを見る人の心を揺り動かす力があるのでしょう。それが何であれ人が集まるというのは大変なことだけど、すごいことなんだなあとしみじみ考えてしまいました。

そうこうしているうちに演奏が終わり拍手をしてそそくさと立ち去りました。とてもいい夜だった気がします。

ただ、お酒が抜けたらあの感動はなんだったのかというくらい「めんどくさい」という心の奥底に渦巻く気持ちが急に湧き上がってきました。きっと人が集まるというのは素晴らしいことだけれど、すごいめんどくさいことなのでしょう。

編集者のつっこみ

編集者のつっこみ

大学の部活でバンドをやっていた頃にメンバー女子2人が恋愛でもめて、裏で「修羅場ンド」と呼ばれていました。人が集まって一つの事をしようってのは、大変な事ですね。